角が立つのに底上げ?(前編)

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こんにちは。青山 天使のしふぉんです。

焼き上がったシフォンケーキを型から外してみたら——底の部分が持ち上がって、大きな空洞になっていた

いわゆる「底上げ」です。お教室でも、たびたびご相談をいただく症状のひとつです。

そして多くの場合、こんな言葉が続きます。「メレンゲの角は、ぴんと立っていたんです」。

シフォンケーキの断面(底の部分が見えるカット)

「角が立つ」と「しっかりしている」は、同じではありません

前回、メレンゲを見極める3つのチェックポイントをご紹介しました。表面の艶と光沢、伸びと弾力、そして卵黄生地とマーブル状に混ざり合うこと——この3つです。

じつは「角が立つ」というのは、この3つのどれとも少し違う見方なんです。角が立つのはかたさの目安であって、そのメレンゲに強さがあるかどうかまでは教えてくれません。

かたくても、もろい。そんなメレンゲは、生地に混ぜたときや、オーブンの熱で膨らむ途中で、気泡がつぶれてしまいます。行き場をなくした生地が沈み、焼き固まった上の部分だけが持ち上がる——これが底上げの正体です。

まず見直したいのは「重みと艶」

底上げのご相談をいただいたとき、私たちが最初にお伝えしているのは、じつはとてもシンプルなことです。

卵白を泡立てるときに、重みと艶が出てくるまで、しっかりと混ぜること。

メレンゲに強さが出てくると、底上げは自然と改善されていきます。角が立った時点で手を止めず、ビーターですくったときの重たさを感じられるところまで泡立ててみてください。

泡立て途中のメレンゲ

型が変われば、泡立ての時間も変わります

もうひとつ、見落とされやすいのが型の大きさです。

大きな型で焼く場合、必要なメレンゲの量も増えます。いつもと同じ時間だけ泡立てていると、量に対して泡立てが足りない状態になってしまうのです。

たとえば 20cm の型をお使いになるときは、泡立ての時間を 1.5 倍程度を目安に見ていただくと、うまくいくことが多いですよ。ここでも、時間そのものよりも、前回の3つのチェックポイントで状態を確かめることが大切です。

お砂糖は、甘みだけの材料ではありません

もうひとつ、底上げに関わってくるのがお砂糖です。

お砂糖は甘みを与えるだけの材料ではなく、メレンゲの骨格をつくる役割を持っています。入れる量と、入れるタイミング。このふたつが、気泡の安定を大きく左右します。

早すぎても、遅すぎても、メレンゲの育ち方は変わります。この「お砂糖のタイミング」については、少し丁寧にお伝えしたいので、次の機会にあらためてご紹介させてくださいね。

小さな底上げなら、別の原因のことも

ここまでメレンゲのお話をしてきましたが、ごく小さな底上げの場合は、オーブンの温度が関係していることもあります。

型への流し方や、生地のかたさが影響することもあります。こうした「メレンゲ以外の原因」については、後編としてあらためてひも解いていきますね。

今日のまとめ

  • 角が立つ=かたさの目安。強さがあるかどうかは別のこと
  • 底上げの多くは、メレンゲの強さ不足が原因
  • 重みと艶が出るまで泡立てる
  • 型が大きくなれば、泡立ての時間も見直す

失敗の理由が分かると、次に何を変えればよいかが見えてきます。焼き上がりの断面は、その日のメレンゲからのお便りのようなものです。がっかりせずに、どうぞ読み解いてあげてくださいね。